クラス目セイバーのサーヴァントだが、初登場時から真名を名乗っているため、本編ではガウェインと呼称されている。マスターはレオ・B・ハーウェイ。
すらりとした長身でありながら頑強な体つき、かつ、穏やかで甘いマスクをした美男子。
本人は滅私奉公を第一としており、王と認めたレオの剣に徹している。レオが会話している時は決して自分を出さず、レオの名代として前に出た時のみ会話をする。
その口調は涼やかで、相手を軽んじる事も侮辱する事もない。たとえ相手が力量不足でも、その戦意・覚悟をくみ取り、礼節をもって相手をする。
ガウェイン卿はアーサー王伝説に登場する円卓の騎士のひとりだ。アーサー王の甥であり、アーサー王の片腕と称されたランスロットに並ぶ騎士である。
伝説では王を助けられなかった結末を持つが、その忠誠心は最後まで誠だった。
サーヴァントとして召喚されたガウェインはその無念を残しており、今度こそは王の宿命を持つ者を補佐し、一振りの剣として尽くしきる、と誓っている。
幸運な事に、マスターであるレオは彼が剣を捧げるに相応しい人物だった。
レオという、生まれながらに王聖を獲得している幼い王を守り、羽化させる事が自分の役割だとガウェインは信じている。
……もっとも。ガウェインはレオに足りないものは敗北であり、人の王である以上、いずれその刻が来る事を知っていた。
いや。そうでなければ人を治める王として完成しない事を、円卓時代に思い知ったのだ。
この清廉潔白な騎士は、ユリウスのように絶対なものとしてレオを信奉するのではなく、いずれ絶対なものになるレオの剣になる事を誓った。
「───もちろんです。
貴方にその刻[とき]がくるまで、私は勝ち続けます」
そうレオに語るガウェインの姿は、弟の成長を見守る実の兄のようだ。
ガウェイン卿はレオに『その刻』とは何なのか、最後まで語ることはなかった。ガウェインを信頼するレオも、『その刻』とは何なのかだけは読めず、聖杯戦争を勝ち進んでいく事になる。