ナタリア・カミンスキー

一匹狼の魔術師ハンター。魔術協会には属さず、協会専属の執行者に先んじて獲物を横取りしては、高値で転売するというあくどい商売を流儀としていた。『封印指定執行者』などという大袈裟な肩書きを名乗ってはいるが、正真正銘の封印指定なんてものは非常に希有な存在であり、そういう『大物』を執行者が探し当てるチャンスというのは10年に一度あるかどうかも疑わしい。とりわけ外注フリーランスともなると、もっぱら日々の糧となるのは、ただ協会の規範を逸れたというだけの外道魔術師ばかりである。
数代前の先祖にサキュバスを持つ半妖の血筋で、不老や再生能力こそないが人並み外れた運動神経を誇り、また吸精による貯蔵魔力のブーストといった特殊能力も備えていた。
荒稼ぎのためには手段を選ばない金の亡者でありながら、宵越しの金を残さない豪快な快楽主義者でもあり、多感な年頃の男の子にはかなり倫理面で問題のある保護者だった。ヤング切嗣に度重なるセクハラを仕掛けておきながら、決して精を食らうことをしなかったのは、ちょっぴり本気な恋慕の情があった故で、そんな乙女心を秘め持った姐さんでもあった。
切なくも凄絶なその末路が、実は原作者に誘われて観に行った『スネーク・フライト』が元ネタでした、なんてな台無しの暴露話も、ついでにここにしたためておく。

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