死徒たちは一介の死徒と見ているが、教会側は死徒二十七祖に数えている吸血鬼。
転生無限者と呼ばれ、他の死徒たちとは異なる不老不死を実現しようとした。
もとは教会の神官だったが限界に辿りつき、さらなる上を目指すために仕方なく吸血種となる。
当時最強の真祖であるアルクェイドを騙して自らの血を吸わせたロアはすぐさま力のある死徒となり、教会によって封印されていた空席の二十七祖の派閥を纏めあげ、一大勢力を築き上げた。
この新参者の死徒をいさめるためにアルトルージュが出向くが、逆に返り打ちにするほど当時のロアは強大だった。
結果、二十七祖はロアを放置し、数年後に教会と共同戦線をはったアルクェイドによって打ち滅ぼされる。
以後自らが選抜した赤子に転生を繰り返し、実に十七回もの間、アルクェイドと終わりのない殺し合いをするに至る。
自身を純真なモノではなくしたアルクェイドに深い感情を抱いていたが、ついぞそれが愛情なのだという事に気がつかなかった人物。
……だからといって善人な訳はなく、物の善悪がない分もっとも始末のおけない人種と言えるだろう。
ネロと同じく、永遠に固執するあまりロアという自我が薄れてしまっている。
転生を重ねるごとに弱体化していく、という訳ではないが、どの転生体も一番初めのミハイル・ロア・バルダムヨォンという肉体のポテンシャルに並ばなかった。
そういった経歴の果てに、当時の自分に近い潜在能力があったシエルの肉体に転生し、最期の転生体として遠野シキに辿りつく。
