殺戮機構

アルキメデスが用いる数々の発明品。
それぞれ別の用途で考案されたものだが、結果的に戦いの道具にされてしまったものたち。

たとえば、アルキメデスの螺旋(シュラクーシア メトドス)。巨大戦艦シュラコシア号を成立させた発明。ようはスクリューである。
(後にシュラコシアンはプトレマイオス三世にに1贈られ、アレクサンドリア号と改名された)
万能戦艦であったシュラコシア号が船内にたまった水を船外に排出するためにスクリュー状の装置を備えており、これはバビロンの空中庭園を灌槪する際にも使用されたとの説もある。
アルキメデスには、サモスのコノンの元で学ぶペルーシオンのドシセオス宛ての手紙という形で現存する『螺旋について』という書物が現存しており、これは古代ギリシャ時代の数学における「螺旋」を含む曲線についての初期の考察として知られている。

あるいは、アルキメデスのかぎ爪(シラクソン ハルパゲー)。巨大クレーン兵器。様々なバリエーションがあり、これがアルキメデスの主武装になる。
もとは海岸に接近し、シラクサに上陸しようとする船を破壊するための兵器。船を掴んで持ち上げる、粉砕する、振り子運動で投げ飛ばす、網を投げて捕獲する、といった用途があった。

さらには、アルキメデスの天秤(ウィザード オブ バランス)。
わずかな道具と必要な出力さえあれば天地を返す運搬装置。アルキメデスは『方法』『平面のつり合いについて』の中で天秤のつり合いについて論じている。4世紀エジプトの数学者パップスは、「我に支点を与えよ。されば、地球を動かしてみせよう」というアルキメデスの言葉を紹介している。アルキメデスが天秤と滑車を物の運搬に活用したことは、プルタルコスも述べている。
このため、数学の世界において彼は「天秤の魔術師The Wizard of Balance」と呼ばれることがある。共立出版刊行のアルキメデス理論の研究書タイトルが、まさに『天秤の魔術師 アルキメデスの数学』となっている。

翻訳者注
  1. ^ にに → に
Fate/EXTELLA material: Fate EXTELLA用語辞典