思想鍵紋(しそうけんもん)

思想魔術における魔術刻印。
これは「器」――思想盤に対するアクセス権である。
師から弟子に受け継がれるものであり、魔術刻印と違って、血や家系に固定されない。この鍵紋に刻まれた魔術は、たとえば器に絵付けするようなものだ。器そのものは変わらないが、その絵付けによって観測は変わってしまう。つまるところ、世界をまるごと騙してしまうことになる。しっぺがえしは世界から食らうことになるのでご注意。

ただし、鍵紋を引き継いだからには、常に「器」から影響を受けることとなる。
最上位の鍵紋を引き継ぎ、その能力を完全に引き出すに至った者はいわゆる天仙であり、半ば世界と融合しつつある状態となる。ここまで至ったものはある意味境界記録帯(ゴーストライナー)にも比肩する影響力を持つことになるが、同時にその力を振るうだけの自我を保つことは難しくなる。
なお鍵紋がなくても、思想盤へのアクセスは可能だが、使用可能な魔術は基本的な術式に限定される(基本を積み重ねて高度な術式に至ること自体は可能)。鍵紋によるアクセス権はある種の特殊領域へのものだ。これは魔術刻印による術式が、ほぼ例外なく家門の秘奥に直結していることと似ている。

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