フェルナンド司祭

グレイの故郷に派遣されていた司祭。
聖堂教会の構成員ではあるが、代行者などではなく中枢部にもつながりはない。魔術や神秘の存在は知っているものの、基本的には穏やかな一般人である。すぐさま事を荒立てる必要のない……その可能性も低い場所には、このような人材が配置されることが多い。
場合によっては、荒事に訴えるよりも、ただ穏やかに寄り添っている人の方が、よりよい効果を発揮する。そういうことを聖堂教会は知っているのだった。
だからこそ、グレイの変化についてしたためた自分の手紙によってイルミアが派遣され、グレイの故郷がある種の最前線となってしまったことに、フェルナンド司祭は長く苦悩していた。
なお、剥離城アドラでグレイが口にした教会の祈りを、彼女に教えたのもフェルナンドである。「喪失の大きさで荒れ狂う心をほんのつかのまでも慰めておけるなら、信仰の有無は後から考えればよろしい」
必ずしも聖堂教会の教えとは一致しないブラックモアの墓地との兼ね合いについて、彼はこのようにグレイに語ったのであった。

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