カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア

“黒”のマスター、ユグドミレニア一族の一人。連なる家系はフォルヴェッジ家。低級霊や昆虫、動物の召喚を得意としていた。フィオレが百年に一人輩出できるかどうかという類い希な魔術回路を持って生まれたものの、彼女の両足がどうなるか不安になったフォルヴェッジ家当主が予備の後継者兼フィオレの世話係として妻に生ませたのがカウレスである。
残念なことに奇跡が二度起こるはずもなく、フォルヴェッジ家の衰退を象徴するような平凡さに、足が動かなくともフィオレを後継者にするべきだと当主は判断し、カウレスは世話係に任じられた。
本人としては気楽な人生と半ば諦めの境地で魔術を学んでいた。だが、その内にフィオレだけでなく、フォルヴェッジ家に微妙な危機感を持ち始める。何しろ両親手ずからの教育によって、フィオレに対して徹底的に魔術を叩き込んだはいいが、彼女は魔術以外のことを何一つ知らない残念系お嬢さまに成長してしまっていたのだ……!
そんな訳で、弟としては姉の世話を焼くしかなかった。聖杯戦争の際も、フィオレのバックアップとして彼女と共にルーマニアへ。そこで令呪が発現してしまい、バーサーカーを任せられることになった。
基本的に魔術は人生の付属品と考える主義であり、人生全てを魔術に捧げる気は毛頭無かった。だが、聖杯大戦を経てそのやや厭世的な考え方も色々と変化した模様。地味に考え方がドライで、通常の聖杯戦争で姉と対立した場合、殺害した後に延々と絶望するのがフィオレだが、一通り絶望した後に心を決めて躊躇なく殺害するのがカウレスである。つまりある意味で、フィオレより魔術師としての意識は高い。
同時に現代知識も豊富で、フィオレに携帯電話を教え込んだのはカウレス。あえて機械に頼ることでその部分に余裕を持たせ、少しでも自身の乏しい魔術スぺックを拡張しようとしていた。刻印移植で随分余裕ができたものの、それでもまだまだ一流には程遠い。
聖杯大戦の後、ロンドンの魔術協会にて見張られながら忸怩たる日々を過ごしていた……のだが、ある日ロン毛で目つきが悪いとっても偉い人に「何でお前そんな向いてない魔術を学んでるの?お前の才能的にはこっちの方がよくね?」と教室を一言で変更され、気付けばあれよあれよという間に能力的にも性格的にもデンジャーなクラスメイトたちに囲まれていた。
「いやだなあ、平凡に暮らしたいなあ。巻き込まれたくないなあ」と思いつつ、近くの席で騒いでいる能天気な天才を横目にそっと溜息をつくカウレス君であった。
……何かその内、別作品に出張してそうですが気にしない気にしない。

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