串刺城塞 / 極刑王

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カズィクル・ベイ。
ランサーの持つ対軍宝具。
串刺し公・ヴラド三世の代名詞とも言える宝具。
魔槍から放つ、呪いと鉄槌の拷問魔城。
相手が持つ不義・堕落の罪に応じて痛みを増す、まさに正義の一撃である。
ゲーム中では死の叫びをあげるマンドラゴラの如く、敵の足下から無数の槍が突き上がり、大ダメージを与える。
加えてバッドステータス・呪いまで付与される。
敵対したすべての敵兵が対象になるため、一対一より一対多で真価を発揮する。
また隠し要素として、カズィクル・ベイは“粛正の対象”にあたる人間へ増加ダメージを持つ。
相手が『逃走』『不道徳』『暴力』を犯している場合、その破壊力を増していくのだが、犯罪経歴のない主人公にその追加はなかった。

当時、一般庶民への串刺し刑はバルカン半島を含む北地中海圏ではさして珍しい刑罰ではなかった。
しかしヴラド三世は2度目のワラキア公への即位の際、あまりにも腐敗し、堕落しきった自国の貴族たちの姿を見て憤慨。
国を荒廃させた原因はその貴族らにあると見て、未曾有の大粛正を敢行する。その粛正の要となったのが、貴族に対する串刺し刑だった。
貴族と庶民が厳しく分割されていたワラキアにおいて、これは相当にショッキングな事実だったと推測される。
領民たちの中でヴラド公の苛烈さ、恐ろしさを感じなかった者はいなかっただろう。
以降、串刺しはヴラド三世の十八番となり、彼は1459年、トルコの使者を生きたまま串刺しにするなどの所業に出ている。

翻訳者注
  1. ^ 『Fate/EXTRA』:串刺城塞、『Fate/Apocrypha』:極刑王。
Fate/EXTRA Material: Fate/EXTRA用語辞典
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カズィクル・ベイ。“黒”のランサーの宝具。最大二万本の杭をスキル『護国の鬼将』で拡張した領地に展開。攻撃、防御、移動制御などに活用する。ルーマニアという土地柄もあり、『護国の鬼将』で得た領地は聖杯戦争中、最大規模。杭のダメージは積み重なっていく上に、後から後から襲い掛かる二万本という圧倒数は、ヴラド三世の『串刺し公』という異名の面目躍如だろう。
杭は一本あたりの威力は低いものの、一度でも喰らえばしばらくの間は「貫通」による継続ダメージが付加される。更に一度でも槍を当てれば、敵の体内からでも杭を生み出せて貫通させてしまう。こうなるともう収拾がつかず、相手は死ぬまでもがき苦しむハメになる。
……まあ、体内に生まれた杭を燃やすために自分自身に炎を循環させるようなトンデモ英雄が存在したことだけは、ヴラドにとって計算違いだったろうが。

翻訳者注
  1. ^ 『Fate/EXTRA』:串刺城塞、『Fate/Apocrypha』:極刑王。
Fate/Apocrypha material: Fate/Apocrypha用語辞典