オルロック・シザームンド

剥離城アドラの招待客のひとり。蝶魔術の使い手。属性は風。
いかにもラスボス然として現れながら、エルメロイII世には意外と好々爺とした面を見せつけ、そのままに逝った老人。現代魔術に対しても意外な順応性と理解を示していたのは、彼が時計塔の権力抗争からは離れており、純粋に価値だけを判断できる立場だったからだろう。
色位にも届こうという高位の魔術師でありながら、恋に溺れた男。
ゲリュオンにそそのかされ、彼の妻を抱いてしまう。後に生まれたグラニド・アッシュボーンは、遺伝的には彼の息子ということになる。最終的に魔術刻印と人格を移植させた器の少年はシャノンという。はたして、その名は、オルロックが自らの子供につけようとしていたものだったかどうか……。
また、オルロックの倒れた病というのが、ゲリュオンの妻やグラニドの罹患した死病と同じものであったのかどうか―――それがゲリュオンの細工であったかどうかも含めて、これも謎のままである。
ただ、「Perform a dance」と祈るような彼の呪文を、II世はずっと忘れることはなかった。

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 material: ロード・エルメロイⅡ世の事件簿用語辞典